定年延長、高齢者雇用の義務化等増加による上昇するのは必須な労働力事情を鑑み高齢者の罹患率の高い脳、心臓疾患、は若年層においても昨今の

コロナ不況で、一時期の過度な長時間労働は少なくなっているようであるが

受注があっても電子部品等の不足により生産が大幅に減産となっている昨今

これが収まった場合にはこの2~3年の減収を取り戻すために経済活動の

アクセルを全開し超長時間労働の再来でこれらの

罹患率が上昇することがないことが望まれます。特に普段から高血圧気味

中高年労働者への配慮が要求されて、事業者内で重症発症した場合などは

普段からの労働者への健康管理労働時間管理に監督署等からの指摘、指導が

入って、事後処理、改善報告等々大きな負担となることもあることを念頭に置いておきましょう

さて、これまで雇用保険財政は安泰でしたが、雇用調整助成金等で失業者の増加を何とか防いできましたが、ここへきて底をついてきております

賃金の減少、原油価格の高騰、物価の値上げラッシュは、廃業、倒産、失業者の増加という最悪な明日がちらついてきました。そのような事の無いことを期待します

脳、心臓疾患労災改正ポイント

20年ぶりの見直し

① 長時間の過重業務の評価にあたり労働時間と労働時間  以外の負荷要因を総合評価して労災認定することを明確化 

② 長時間の過重業務、短時間の過重業務の労働時間以外の負荷を見直し

③ 短時間過重業務異常な出来事の業務と発症との関連性が  強いと判断できる場合の明確化

④ 対象疾病に『重篤な心不全』を追加

1.基本的な考え方

脳血管疾患及び虚血性心疾患等は、長い年月で自然発症することが多いが業務による明らかな過重負荷が加わることによりその 発症が業務によるものが有力な原因と判断し、業務に起因疾病として取り扱うこれらの業務による過重負荷の判断にあたっては

労働時間の長さ等で表される業務量や、業務内容、作業環境等を具体的かつ客観的に把握し、総合的に判断する必要がある。 

2・対象疾病

 1 脳血管疾患

 (1)脳内出血(脳出血)  (2)くも膜下出血

 (3)脳梗塞  (4)高血圧性脳炎

2 虚血性心疾患等

 (1)心筋梗塞  (2)狭心症

 (3)心停止(心臓性突然死を含む)  (4)重篤な心不全

 (5)大動脈解離

3・認定要件

次の業務による明らかな過重負荷を受けたことにより発症した脳、心臓疾患は、業務に起因する疾病として取り扱う

 (1)発症前の長期間にわたって、疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務 

(以下『長期間の過重業務』という)に就労したこと

 (2)発症に近接した時期において、特に過重な業務(以下『短期間の過重業務』とういう)に就労したこと

 (3)発症直前から前日までの間において、発生状態を時間的及び場所的に明確にし得る異常な出来事(以下『異常な出来事』という)に遭遇したこと 

認定要件の具体的判断

4 ・ 疾患名および具体的判断

1 疾患名および発症時期の特定

 認定要件の判断にあたっては、疾患名を特定し、対象疾病に 該当することを確認すること

また、脳、心臓疾患の発症時期は、業務と発症との関連性を検討する際の起点となるものであること。通常脳、心臓疾患は、発症の直後に症状が出現するものとされているので臨床所見、症状の経過等から症状の出現した日を特定し その日をもって発症日とすること。

 なお、前駆症状(脳、心臓疾患発症の傾向の症状をいう)が認められる場合であって、当該前駆症状と発症した脳、心臓疾患との関連性が医学的に明らかとされたときは、当該前駆症状が確認された日をもって発症日とする

2 長時間の過重業務

(1)疲労の蓄積の考え方

 恒常的な長時間労働等の負荷が長期間にわたって作用した場合に疲労の蓄積が生じ、これが血管病等をその自然経過を超えて著しく憎悪させ、その結果脳、心臓疾患を発症させることがある。

発症時における疲労の蓄積がどの程度であったかという観点から判断することとする。

(2)特に過重な業務とは、日常業務に比較して特に過重な身体的、精神的負荷を生じさせたと客観的に認められる業務をいう。ここでいう日常業務とは、通常の所定労働時間内の所定業務内容をいう

(3)評価期間 発症の期間とは、発症前おおむね6ヶ月間をいう.なお

 発症前おおむね6ヶ月より前の業務については、疲労の蓄積に係る業務の過重性を評価するにあたり、負荷要因として考慮すること。

(4)著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務に就労したと認められるか否かについては、業務量、業務内容、作業環境等を考慮し、同種労働者にとっても、特に過重な身体的、精神的の 負荷と認められる業務であるか否かという観点から、客観的かつ総合的に判断する。 

※労働時間

 a  労働時間の評価疲労の蓄積をもたらす重要要因として労働時間に着目した場合の判断基準として、

  ①発症前1ヶ月ないし6ヶ月間にわたって1ヶ月当たりおおむね45時間を超える時間外労働の場合は長くなるほど業務と 発症との関連性が徐々強まると評価できること

  ② 発症前1ヶ月前におおむね100時間又は発症前2ヶ月ないし6ヶ月間にわたって、1ヶ月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価判断される

b 労働時間と労働時間以外の負荷要因の総合的な評価

拘束時間の長い勤務(労働時間、休憩時間、手待ち時間等 使用者に拘束されている時間が長かったり、休憩、仮眠時間及び回数その環境(広さ、空調、騒音)業務内容等の観点から検討し、評価する

休日の少ない連続勤務 連続労働日数、連続労働日と発症のの近接性や業務内容等の観点から検討、評価する

勤務間インターバル(終業から始業までの時間)が短い勤務

 そのインターバルについてはその程度、(時間数、頻度、連続性)や業務内容等の観点から検討し、評価する。睡眠時間の確保の観点から約11時間未満の

勤務の有無、時間数、頻度、連続性とについて検討し評価する。

不規則な勤務、交代制勤務、深夜勤務

 予定された業務スケジュールの変更の頻度、程度、事前通知

 交代勤務における予定された始業、就業時刻のばらつき十分な睡眠のとれない程度、一勤務の長さ、一勤務の中の休憩時間数、回数、休憩・仮眠施設の状況等を検討し評価する

事業外における移動を伴う業務

 出張の多い業務 

  頻度、期間、交通手段、時差、移動時間、宿泊の有無等の観点から検討し評価する

心理的負荷を伴う業務 心理的負荷を伴う具体的内容、程度等を検討し、評価する

身体的負荷を伴う業務 重量物の運搬作業、人力による掘削作業等身体的負荷の大きい作業については、作業種類、作業強度、作業時間、歩行や立位を伴う譲許等の観点から検討し、評価する。

※ 作業環境 

温度環境、(寒冷、暑熱、の程度・作業衣、寒暖差環境の移動の頻度、水分補給の状況等の観点から検討し、評価する。

騒音 おおむね80dB(デシベル)を超える騒音の程度、時間、防音保護具の着用の状況等の観点から検討し、評価する。

騒音レベル例

騒音レベル (dB A)音の大きさの目安感じ方・影響
140ジェットエンジンの近く聴覚機能に異常をきたす
130(身体的苦痛を感じる限界)
120飛行機のプロペラエンジンの直前、近くの雷鳴
110ヘリコプターの近く
100電車が通るガード下、自動車のクラクション
90大声、犬の鳴き声、騒々しい工場内極めてうるさく感じる
80(聴力障害の限界)ピアノの音
70掃除機、騒々しい街頭うるさく感じる
60普通の会話、チャイム
50エアコンの室外機、静かな事務所日常生活で望ましい範囲
40静かな住宅地、図書館
30ささやき声、深夜の郊外静か
20木の葉のふれあう音